ペルー北部の海岸線に位置するチクラヨ(Chiclayo)は、質の高い米やサトウキビ、綿などの農産物の産地であり、交易の中心地でもあります。また、重要なプレ・ヒスパニック文化の中心にあり、異なる時代に栄えた文化の空気が今も残る、ペルー国内でも独特の雰囲気を持つ町として知られています。チクラヨ近郊には、過去の偉大な文明の遺産を見ることができます。1987年にシパン遺跡、1991年にシカン遺跡が相次いで発掘され、これら過去文明の遺産はシパン王墓博物館やブルーニン博物館、国立シカン博物館などに収められています。他にもピラミッドの谷として知られるトゥクメ遺跡があり、考古学的にも重要な遺産であるとされています。入口には古代文明の建築技術を用いて建てられた博物館があり、発掘されたものが展示されています。
チクラヨへの行き方
飛行機は、リマからの便がアエロ・コンチネンテとタンス航空の2社によって運航されています。毎日4便で所要時間1時間です。チクラヨ〜ピウラのフライトもあります。
長距離バスは、リマから数社が毎日運行しています。各社とも1〜5便程度が走っており、所要時間は約11時間です。トルヒーヨからは3時間、ピウラからは7時間です。
チクラヨの観光名所
シパン遺跡(Senor de Sipan):チクラヨ周辺に栄えたモチェ文化(8〜14世紀)末期のシパン王の墓されています。1987年に発見され、チクラヨを世界的に有名にしました。王墓からは、エジプトのツタンカーメン王の墓以来と言われるほどの大量の金装飾品が出土しました。現在は、発見当時の姿に復元され見学することが出来ます。チクラヨからミニバスで約1時間。
シパン王墓博物館:シパンの墓のそばにあります。
トゥクメ遺跡(Tucume):モチェ文化の遺跡で、28基のピラミッドが点在しています。現在でも調査中のため詳しいことは判っていません。入口には博物館があります。遺跡中央のアドベのピラミッドのある丘に登るとトゥクメ遺跡が一望できます。
シカン遺跡(Sican):1991年に日本のシカン遺跡調査団(団長:島田泉氏、TBS後援)が発掘した遺跡です。数体の遺骨と100点以上の黄金埋葬品が出土しています。シカン文化は、モチェ文化の後に興ったもので、後のインカを凌ぐ黄金文化が形成されていたと考えられています。世界中の博物館にある、プレ・インカの黄金製品はシカン時代のものであり、アーモンド型の目が特徴となっています。シカン遺跡の周辺には12のピラミッドが点在しています。遺跡は、崩れ掛けのピラミッドが残るだけの荒涼とした場所で、何もありません。出土品の一部は、ブルーニン博物館に展示されています。
ブルーニン博物館(Museo Bruning):チクラヨの北12kmにあるランバイエケ市にあります。シパン遺跡から発掘された、金装飾品や発掘現場の写真、周辺に栄えた文化の出土品、織物、ミイラなどが展示されています。プレ・インカ時代の展示物が豊富です。
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